『幸せのちから』の監督最新作
大ヒット公開中!
小説家の父から、時を越え届く愛の物語に涙溢れる、この秋一番の感動作
監督:ガブリエレ・ムッチーノ『幸せのちから』
脚本:ブラッド・デッシュ
ラッセル・クロウ『ビューティフル・マインド』
アマンダ・セイフライド『レ・ミゼラブル』
父と息子の絆を描いた『幸せのちから』で、世界中を涙で包んだガブリエレ・ムッチーノ監督。最新作ではニューヨークを舞台に、少女の成長物語を通して、父と娘のかけがえのない絆を描き上げる。
娘のケイティには、『レ・ミゼラブル』のアマンダ・セイフライド。小説家の父のジェイクには、『グラディエーター』でアカデミー賞を受賞した名優ラッセル・クロウ。子供時代のケイティに扮するカイリー・ロジャーズの健気で可憐な姿からも目が離せない。
カーペンターズの名曲「Close to You」に乗せて描かれる、あまりに優しい父娘の愛に泣く、この秋一番の感動作が誕生した。
1989年、ニューヨーク。小説家のジェイク・デイヴィス(ラッセル・クロウ)は、妻と7歳の一人娘ケイティ(カイリー・ロジャーズ)との3人で、幸せな毎日を送っていた。しかし、ジェイクが起こした交通事故で妻が死亡。ジェイクも長期入院することになり、ケイティは妻の姉のエリザベス(ダイアン・クルーガー)に預けられる。
7カ月後、退院したジェイクは真っ先に娘の元へと駆けつける。「もう離れない?」と不安げに聞くケイティに、これからは「ずっと一緒だ」と答えるジェイク。しかし事故の後遺症の発作を隠しつつ仕上げた新作小説は、評論家から酷評されてしまう。そして追い打ちをかけるかのように、エリザベスと夫ウイリアム(ブルース・グリーンウッド)が、ケイティの養育権を巡る訴訟を起こす。必死で娘との生活を守ろうとするジェイクだが、病状も生活も苦しくなっていくばかり。ギリギリまで追い詰められていく中、彼は新しい小説の執筆を始める。それは彼と娘のケイティについての物語だった――。
──25年後、大学院で心理学を学ぶケイティは、過去のトラウマから人を愛することができなくなっていた。自暴自棄な日々を過ごし、人と深い関係を築くことを避けてきた彼女は、ある日、父の小説の大ファンだという青年キャメロン(アーロン・ポール)と出会い、恋に落ちる。ケイティは過去と向き合い、新しい人生に踏み出そうとするが・・・。
次第に明かされていくあまりに純粋な父と娘の愛の物語。そしてケイティに遺された、父の最後の小説とは――。
プロデューサーの一人であるシェリル・クラークは言う。「ドラマが大好きなガブリエレにピッタリだったわ。彼は愛や情熱、苦悩が大好きで、この作品は彼に私的なレベルで語りかけるのよ」
主演を務めたラッセル・クロウは、脚本を読みボロボロに泣いたという。「あまりに感情を刺激された。心の深部に訴えかけてくるんだ。僕は脚本に影響されないと映画に携わらないんだけど、これは有無を言わせない強さがあった。読み終わった瞬間に電話をかけて、作品に参加する手続きを始めたよ」
「この物語のアイディアは、僕と妻の間に初めての娘ジュリアが生まれた時に思いついた。小説家が感情的・経済的問題に苦労しながらも、必死で小さな娘を育てようとする物語を書きたいと思ってね。僕が最初に書いた草案では、主人公のジェイクが小さな娘ケイティと一緒にいる時代を舞台に、ジェイクが自らが引き起こした事故で妻を亡くし、精神的な問題に立ち向かっていく物語だった。僕はその物語を気に入っていたけれど、何かが足りない気がしてね。それで一年後、もう一度この脚本に向き合い、成長したケイティ(アマンダが演じた部分)が、両親を失ったことで抱えざるを得なくなった問題についての物語を追加してみた。この2つの時代の物語を一つに組み立ててみたら、それぞれがお互いに命を吹き込み始めたんだ!」
プロデューサーのクレイグ・J・フローレスが続ける。「ある日曜の午後、監督から直接電話が掛かってきた。ラッセルが脚本を気に入って是非演じたいと言っているって!嬉しかったよ。ジェイク・デイヴィスは、繰り返し悲劇に見舞われる男だ。その経緯は、ちょっと『ビューティフル・マインド』(01)を彷彿とさせるだろ。僕は『ビューティフル・マインド』の大ファンなので、彼ならベストだと確信したよ」
ラッセルは小説家であるジェイクを演じるために、少し体重を増やし、精神科医に話を聞いたり、劇中でジェイクが見せる痙攣の発作の病状を持つ人たちを撮影した映像を研究したりと、役作りのために多くのリサーチを重ねたという。
「彼女は演技が自然で、とても美しい目を持っている。彼女の目を見れば全ての感情が伝わってくるうえに、もっと知りたいと観客に思わせるミステリアスさも兼ね備えている。今回のケイティ役は、特に悲劇的な過去を持つ役柄だけれども、彼女はそれを目の演技でとても良く表現してくれた。ラッセルとも『レ・ミゼラブル』(12)で共演しており、彼も“アマンダは素晴らしい女優だ”と言っていたから、ベストなキャスティングだったよ」
妻の親友エローナが心理学の学位を持っており、心理学者になるためのトレーニングを受ける一環で、ソーシャルワーカーとして心の悩みを持つ子供たちに接していた時期もあると聞いたクレイグは、アマンダとエローナを引き合わせたという。「エローナは色々な実体験をアマンダに教えてくれて、それがとても参考になったらしい。アマンダはエローナが本当に素晴らしかったって言ってね。今回の役づくりのためだけではなく、自分のプライベートな生活でも彼女と友人になりたいと思うほど、意気投合したようなんだ」
「カイリーの何に驚いたかというと、彼女は“泣いて”っていうと、その瞬間にすぐ涙をこぼすんだよ!少し時間が経ってから泣ける子はいるけれど、彼女はすごい。あとカイリーには純真さがあって、彼女の演技はとても自然で正直。他の候補者の中には、既にディズニーチャンネルなどで活躍している有名な子役もいたけれど、経験豊富な子役は、悲しいかなあまりにも大人びてしまっていて演技が自然じゃなくなってしまう。カイリーは本当に自然な演技で子供らしさがあった。それを見て、全員一致で彼女に決めたんだ。彼女は圧倒的なシンデレラ・ガールだね」
カイリー・ロジャーズは撮影当時を思い出しながら語る。「そんなに役作りのための準備はしませんでした。ただ、ケイティだったらどう感じるかなということを、一生懸命演じただけ。撮影現場に、“ケイティ”として行くようにしていました。
私が彼からもらったアドバイスは、眠っているシーンの撮影の時にはゆっくり呼吸をすると良いっていうこと。あとアドリブでの演技の仕方も教えてくれた。でも教えてもらった中で一番印象に残っているのは、常に思いやりをもって優しい人間でいることが大切なんだっていうこと。常に、みんなに優しくすること。それが人生で一番大切なことだって教えてくれたの💗」
ラッセルは言う。
「カイリー・ロジャーズは本当に可愛らしい子だ。可愛くて、頭が良くて、今この瞬間のシーンに僕と一緒にいてくれる。集中力があって、僕が何を投げかけても、状況を読んでその瞬間を維持できるんだよ」
叔母には2人の息子がいるが、娘を持つことが彼女の長年の夢なので、ケイティをお人形のように着飾らせる。
ケイティはほとんど自分で着替えをするので、おおむね洗いたての服を着ている設定だ。カラフルで無頓着で、ミスマッチだけど面白い。ケイティの衣装は彼女のその時々の生活を反映している。
「歌詞が素晴らしく、シーンや作品のメッセージとマッチしているのが決め手だった。ただ“CLOSE TO YOU”のカーペンターズのオリジナルソングはライセンスされていなくてね。だから僕らは、作曲家であるバート・バカラックと連絡を取ったりしながら、誰に歌ってもらおうかとずっと考えていた。そんなことと並行して、僕らはエンドロールに流す曲についても同時に考えていたんだ。マイケル・ボルトンに曲を提供してもらえたら最高だと思って、彼を試写会に招待した。
“一つだけ君に文句がある。なんで試写室にティッシュがないんだ”って。とにかくこの映画がとても気に入ったから、無償でオリジナルソングを書くって言ってくれた!本当にうれしかったよ。そんな時“CLOSE TO YOU”のカーペンターズ版の権利が取れないことが判明したので、そのことをマイケルに伝えたら、彼の方から“僕が歌う”と言ってくれたんだ!彼自身、3人の娘がいて、1年間の3/4はツアーで子供たちと離れているからか、すごくジェイクの気持ちに共感できたらしい。こうやって、最終的にマイケルがエンドロールの曲も、“CLOSE TO YOU”も歌ってくれることになったのさ!」